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ドラマ Ns' あおい  第二回 2006年1月17日放送 あらすじ&レビュー

転勤から一週間だ。あおいの勤める病棟に研修医江藤がやって来る。田所に取り入って耳鼻科志望から内科志望に変えたらしい。
あおいは次第に桜川病院の実情を知ってゆく。この病院では一人につき十人の患者を担当していること、保険の点数稼ぎの為に病院の前からも救急車を呼ぶこと、総師長の決めた桜川病院のルールである。
「やっぱりこの病院おかしくないですか?」というあおいに
「おれになつくな、ひっつくな」と高木。
その時、加熱した売り込み合戦をするMR製薬会社の営業マンたちの間に、あおいは野呂を見つける。以前患者が緊急の時、田所と一緒にいた営業マンだ。
あおいはぷいと通り過ぎる。

小峰とあおいは、少しずつコンビらしくなってくる。ある夜あおいは偶然、小峰が保育園に息子を迎えに行く姿を目撃。小峰がシングルマザーだということを知る。「傷物は傷物同士、何も聞かないのが礼儀。」と言う小峰。
帰り道、あおいはある男女連れの女性の方が突然血を吐く姿を目撃する。あおいによる応急処置がなされ、女性は救急車で運ばれていったが、次の日あおいが緊急外来を訪ねると、一番近いはずの桜川病院に、どの患者も運ばれていないことがわかる。

一泊十万円の特別室が埋まった。会社の定期検診で便の潜血反応が陽性だった営業マン野呂が、田所に押し切られ、自腹で特別室に泊まることになったのだ。ベッド稼働率90パーセントを維持できたと、婦長はゴキゲンである。担当はあおい。
翌日、点滴の時間、あおいの目が届かない隙に野呂がいなくなる。野呂は屋上で子供達の為に風船を作っていたのだ。地方の薬屋回りをしていた頃に覚えた芸なのだが、名前の通りノロマなので今はリストラ候補、病院担当でいられるのは田所のおかげだというのだ。
その田所だが、腰ぎんちゃくの江藤を連れて気持ちが油断したか、麻酔を大量に使い、見つけたポリープを確かめもせずに即切除する。
その後、野呂の調子がおかしくなる。
野呂の様子から、あおいは、穿孔(せんこう)を疑い、一刻も早く検査が必要だと言うが、江藤からそれを聞いた田所は、様子を見るべきだと言う。部長の浜松も、医師と患者をつなぐのは看護士の仕事と、逃げてしまう。江藤もなにか力になるわけでもなくちょろちょろしているだけ。
あおいは高木を呼ぶが、高木は他の患者にかかりっきり。
野呂は田所を気遣い、我慢をすると言う。
来年度から病院の薬は本院で一括して仕入れるということを告げ、「野呂さんは、田所先生に利用されているんですよ。」というあおいに、
「知っています。知っていてもこうするしかないんです。」と野呂。

田所はミーティング後、食事に行ってしまう。一々気に障るらしい。
あおいはレントゲン技師の片桐を捕まえるが、医師の指示証がないレントゲンは法律違反。
片桐に、「私はナースです。医者と患者さんをつなぐ唯一の架け橋なんです。」と言うあおい。
後日合コンのセッティングを条件に、レントゲンを承諾する。
麻酔が切れた野呂は腹を押さえながらのたうちまわっている。携帯型レントゲンが患者室に運びこまれた。
結果はフリーエアー。穿孔によるガスである。
婦長の指導で野呂への手術の段取りが。しかしその時外科の医師は一人も手が空いておらず、内科の高木もお手上げ。その時、アルバイトの北沢が、副院長が車で帰ろうとしているのを発見、あおいは車の前に立ち塞がり、副院長にオペを懇願。返事をしぶる副院長。
「あんたのせいでとばっちりが・・・」とあおいに言う小峰。
だが結局オペは行われ一件落着、手術室から出てきた副院長の顔をはじめて見たあおいは、副院長が、先日救急車を呼んだ男女二人連れの男性だったと知る。あの女性は副院長の妻で、その夜は、他の救急病院に連れて行ったということだった。
手術が終わった副院長のもとに駆けつけ、言い訳をする田所だが
「きみ、だれ?」と言われ、点数をかせぐどころではない。

二週間後、野呂は退院する。田所の逆鱗に触れた野呂は病院担当から外れ、地方回りに逆戻りしたらしい。
「でも、自分にはそういう仕事の方があっているかもしれない、そういう意味でも、田所先生には感謝している。」と野呂は言う。
「あおいスペシャルです。」
野呂はあおいの為に風船に鈴の入った子犬を贈る。
看護士の笑顔や励ましの言葉に、患者がどれほど勇気づけられるか。薄れる意識の中で、がんばって!というあおいの声がずうっと聞こえていた。これからもそ患者の希望の鈴を鳴らし続けてほしい。そう野呂は言い、去っていった。

その後田所により、医師法違反の理由であおいの処分が求められたが、総師長は、患者放置、気が緩んでいると田所を責め、あおいは無罪放免、もう一度職場に復帰できることとなった。
この病院を変えてゆくあおいに、
「奇跡がおこるかもな。」という高木。
「絶対奇跡はおきない。」という小峰。

田所は、虫のいどころがおさまらない。高級料亭に高木を呼び出し、あおいがなぜ本院を辞めさせられたのか調べるよう命じる。


レビュー
院のエース田所が新人ちゃんに叩かれ、ついに埃が出てしまうという回。人に皆節度有りといった内容。
ただ田所は、医療ミスに対し責められるのではなく、与えられた猶予に心を改めることなく、自己弁護に終止してしまったことを咎められており、真に大切なものとは何か、総師長によるいっそう厳しい線が引かれた回である。それはきっと総師長個人としての判断であり、物語後半に連鎖していくと思われるが皆さんの意見は如何だろうか。笑劇めいた頼りない男をこの回に併置し、粘り気ある人生を醸し出しているのも味わい深く、ボタン一つでミサイルを発射する軍人のような田所があおいに糾弾される。第一話で確かめられた個々の意識が、どのような根をもって進歩していくのか、その多様性の織りなすダイナミズムが見所である。
慇懃無礼の輩達、人格的なポテンシャルは・・?


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by mitachan2006jan | 2006-01-18 02:35 | ストーリー&レビュー


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