ドラマ Ns' あおい  第三回 2006年1月23日放送 あらすじ&レビュー

「お受けできません。」高樹は田所の方針に口を出すつもりはないし医療に役立つならばいくらでも協力するがと言って丁寧に断る。「君にはまだ借りを返してもらっていない。」と、田所は笑いながら「お嬢さんは元気かね?教えてやるといい。理想ばかり描いていても人の命は救えない。」と意味ありげなことを言う。
高樹は何もなかったかのように、いつものスクーターで帰って行くが。
あおいはその頃、窓から雪を見ていた。

高樹はあおいの様子が心配で、ちょっとカマをかけてみる。あおいをじっと見つめ、「ちょっと小顔になったか?」などと言うが、あおいには田所の企みが通じていないようだと安心する。が、田所は今度は江藤を使い、あおいが本院で何をしたのか調べさせていた。

江藤は独り本院に赴くが、急患で忙しくしているためにとてもそれを聞ける状態ではなかった。とりあえず看護士に合コンを申し込み、探りをいれようとする。メンツを揃え、酒の席でいざ聞き出そうとしたのだが、寸前で高樹に制止される。 
帰り際に、高樹は江藤が田所の言いなりになっているのではないかと言い、「早く一人前になりたかったら腕を磨け。他の先生の処置をひとつでも覚えて現場に立ち会え。」と言う。
江藤は、はじめはもじもじしていたが、父親のことを言われると反抗的な態度に変わる。
「僕は高樹先生みたいにはなりたくないんです。アウトロー気取ってそれは格好いいけれども、思い通りの医療もできず結局病院のいいなりになるしかなくて、出世もできなくて、ドクターコールで昼も夜もない毎日・・・あの手紙だって離婚届か何かじゃないんですか?・・・僕は高樹先生とは違う。出世しなければいけないんです。」
辛辣なことを言い、逃げるように去って行く。

ある日あおいは、看護士達がまたあおいのうわさをしているのを聞く。
この日も雪が降っている。雪にすべって骨折したなどの患者が多く来るらしい。婦長は、この機会に「お得意さん」の患者を増やそうと張り切っている。あおいはヘルパーとして緊急外来に行かされる。任された患者は青木又蔵。ホームレスで腹の痛みを訴えている。看護士は、寒いからホテル代わりにするつもりではと、別の部屋に行ってしまう。
あおいは、患者の腹が動いていなく、吐物に便の匂いがするということで腸閉塞を疑う。処置にやって来た田所を見た又蔵は、田所を「タレ坊。うんこたれのタレ坊。」と呼ぶ。又蔵の言うには、田所とは同じ山形育ちで、子供の頃の田所は又蔵の子分、田所がよくいじめられていたのを又蔵が助けていたとかいうことらしい。お袋さんは元気か?お前の家は貧乏だったが、お袋さんのつくるお稲荷さんはうまかったなど、昔のことを苦しみながら語る又蔵。しかし冷たくあしらう田所。電話を取って、首都医大に転院の手続きを取り始める。あおいは血液検査の結果も見ずに転院するのは危険だと反対するが、又蔵は、「いいよ。タレ坊ごめんな。俺みたいなものが友達なんて知れたらお前の将来ねえもんなあ。おらあいいよ。野垂れ死にが似合ってる。」と言い、「お前は立派になった。もう十分だ。がんばれよ。お前は俺の希望だ。」と手を握る。田所はすかさず握り返したが、はっとして又蔵を救急車の場所まで運んでいった。

又蔵を運び終わると、あおいは田所に言う。「先生は、医師としての使命を忘れています。昔、又蔵さんやお母さんに恩返しをするをするって言ったのは、ブランド物の服を着て喜んでいるような医者になることではないんじゃないですか?人の役に立つ、立派な医者になること、それが恩返しじゃなかったんですか?」すると田所はこう言う。「知った風なことを言うな。看護士に何が分かる?」そしてすたすた行ってしまう。
あおいは小峰に田所のことを報告し、あんな先生ならいないほうがましだと言う。それを聞いていた高樹は、「お前は自分のことを医者より優秀だと思っているのか?田所先生の腕は確かだ。医者を信用しないナースこそ不要なんじゃないか?」と、やさしく言うのだった。
又蔵の血液検査結果が出た。尿中アミラーゼがずいぶん高い。そこに首都医大から電話が鳴る。腹部CTを撮った結果、田所の診断通り重症急性膵炎でICUに入れたと言う。腹部の色調変化を見逃さず、グレー・ターナー兆候と正確に診断しての素早い判断。さすがだということだった。桜川病院には、CHDF(持続血液濾過装置)がないので又蔵を救うことができない。
あおいは田所に謝る。
「先生、さきほどの暴言、失礼しました。お見事なご判断でした。・・・でも、もう少しだけ私たちの話に耳を傾けて頂けませんか?もっとベッドサイドに来て患者さんの訴えを聞いてはいただけませんか?私は、先生ともっと一緒に仕事がしたいんです。」
田所は、しばらく黙って聞いていたが、降ってくる雪を眺めながら、
「田舎でも、こんなに雪が降っていた。そういえば、しばらくお袋に電話もしていなかったなあ。君には、みっともない所を見られたな。」そう言って帰ろうとする。
あおいは田所の後ろ姿に向かって、
「お母様の稲荷ずしにはかなわないと思いますけど、裏の番町のお稲荷も懐かしい味がしますよ。」
と言う。田所は表情を変えずそのまま、去って行く。
「番町」に現れた田所。例の稲荷を注文し、うまそうに食べて、マスターに言う。
「君、このお稲荷、首都医科大に届けてくれないか?そうだな、今から十日後。その頃ならもう食えるだろう・・・」

次の日、ナースステーションの様子がおかしい。看護士達は異口同音にあおいと一緒に仕事がしたくないと言う。江藤が田所の指示であおいのことをバラしたらしい。
そこに田所がやって来る。
「君がやったことばれちゃったみたいだね。もうここにはいられないんじゃないかなあ。」
あおいはぼうっとして聞いていた。
「君が本院でしたことは一歩間違えば殺人だ。そんな人間と仕事をしたいと思う人間がここにいると思うかね?」
それを聞いた小峰は、「江藤が言ったことは本当なの?本当ならここ辞めてほしい。必要ないのはあんただってこと・・・」
「待ってください。」あおいは切り出し、本院であったことを話し始める。
あの雪の降る日、骨折の患者を私設救急車で運んだ日のことだ。
婦長は慌てて総師長室へ。
「崩壊するわね。」と、総師長。

レビュー
ああだこうだ、なんだかんだ言って頑張っている登場人物達。個々人の価値と連続した主体性ではなく、役割としての「主体」がクローズアップされており、建て前と本音が分裂してうまく機能しないもどかしさが描かれる。一言で「流される人々」だとか、その社会を一方向から斬ることは可能であるが、あおいのナイーブな心情の無垢さそのものに戻って、そこから人々の行動を見て行くことが一番の理解の近道だ。田所も直接あおいを傷つけることができるのではなく、一面の真理によってあおいを追い込もうとしている訳で、高樹とその他の看護士達も、あおいの無垢さには大きなおまけがついているのだ位の本音であおいとの距離をためている。総師長などにいたってはまったく反対の存在でありながら、あおいの透明性を最も分かっているはずで、その後の物語にバッチリ係わってくる期待が出来て来る。それはそうだ。ともかく三者三様の事情では渡れない橋にまで進んでしまったみたいである。主体性を消したメッセンジャーとしての患者と、あおいのエナジーの発露。だが、あおいは過去の哀しい染みを消さねばならない。消せるだろうか・・・。


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by mitachan2006jan | 2006-01-24 23:58 | ストーリー&レビュー


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