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ドラマ Ns' あおい  第十一回 2006年3月21日放送 あらすじ&レビュー

泉田の呼吸停止から二分。あおいは電話の向こうの高樹に、挿管をやらせて欲しいと申し出る。
医療器具はアンビューしか無く、工具のレンチがある位だ。
「美空、やれ。」高樹は決断を下す。針金、ハンガー、チューブなどを使ったあおいの緊急措置で救急車が来るまでの間に泉田の呼吸は回復し、生命の危機は免れた。
だが、このあおいの行動に対し、倫理委員会が召集されることに。
あおいは病床の泉田に言う。
「約束破ってしまいました。でも後悔はしていません。」
倫理委員会で、あおいは医師法違反、高樹は指示義務違反で取り沙汰され、詰問を受ける。ナースステーションでは仲間が集まり、何かできることはないか考え、ナース、メディカルスタッフ全員の署名を取りつけて田所に提出するのだが、田所からは誰の為に医師や看護士をやっているのか、代わりならばいくらでも居ると、言いくるめられてしまう。一方田所は、病気がちの母親から電話が気になっていた。
病院に大口の寄付をしているということで田所が優先的に特別室に泊まらせていた奥田が緊急事態になる。居酒屋番長に集まって田所の悪口を言っていたスタッフ達だが、小峰へのワンコールで全員召集し、迅速な連携で奥田を救う。自分の立場が危うくなる所を助けられた田所だが、悲しい出来事が起こっていた。母親が急死したのである。屋上でぼんやりしている田所はあおいは声をかけられ、つい母親の事を話してしまい、「偉くなる事が親孝行だと思っていた。」とぽつりともらす。
倫理委員会の処分決定の前日、小峰は高樹と話をする。「田所は高樹に自分を見ているのでは・・。」地方出身だというだけでグループからつまはじきにされた田所、かたやただ患者の為にやって来た高樹、どっちが不器用なのか分からないと小峰は言う。
あおいにべったりくっついている北沢は、こんな時に他人のことを考えているあおいを不思議に感じるものの、だんだんと憧れを抱くようになっていた。あおいは北沢に、「北沢君看護士向いているよ。優しいから。」と言う。
あおいと高樹の処分が決定した。高樹は管理責任で一ヶ月の謹慎、あおいは解雇で清天会グループから追放ということになる。高樹は理事グループの面々に向かい、ルールは大事だが、あおいの取った行動は理屈ではなく、目の前で苦しんでいる人を助けるという単純な事だった、法律は、正しい事を行うためにあるのであって、人を裁くためにあるのではないと言う。幼いころに教わった、人には優しく、嘘はついてはいけない、困った人がいたら助けてあげなさい。そんな事と同じだと。
あおいと共に辞職しようとする高樹に、待ったをかける者がいた。田所だ。田所は自分がその場を黙認した事を告白し、あおいも高樹も病院にとって必要な人間だと発言する。
田所は桜川病院を退職する。山形の医療センターから院長待遇で声がかかったというのだ。院を去る前に田所は泉田を見舞い、「新病棟の件はあなたにお任せします。」と言う。
廊下ですれ違う高樹に、「桜川はいい病院だ。頼んだよ。」と田所。高樹は田所の後姿に深々と頭を下げる。
ロビーではあおいが田所を待っていた。そして外ではスタッフ一同が、「お世話になりました。」と田所に礼をする。田所は聴診器を江藤に渡し、「安物だけど、君のよりはましだろう。」と笑う。
「また戻ってきて下さい。もっともっと偉くなって・・・」
とあおい。皆で田所を見送る。
北沢は看護学校に合格し、泉田は総師長として復帰した。
車椅子の患者と一緒に、幸せそうに桜の花を見上げるあおい。


レビューは後程・・




テレビドラマの時間 三田ちゃんのそら見たことか
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by mitachan2006jan | 2006-03-23 12:27 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第十回 2006年3月14日放送 あらすじ&レビュー

あおいの異動から三ヶ月、また春が訪れ、母の命日が近づいている。総師長の泉田はあおいが母の形見を肌身離さず身に着けていることを知る。
田所は本院の会議で、桜川病院の業績を上げた事を讃えられる。泉田が新病棟の設立を提案しようとした時、田所はいきなりそれを撤回し、高級ホテル並みの人間ドッグ専用病棟にするという案を出す。田所の突然の離反に泉田はうろたえるが、目的は違えど手法は同じ、互いを利用しあってきた関係ではないかと田所は言い、二人は方向を違えたことを確認する。
肝硬変の患者不破吾郎が血を吐いた。静脈瘤破裂である。高樹、江藤はチームを組んで治療にあたる。不破の病状は、長くて余命一ヶ月という重いものだった。これ以上治療を進めることは体にも経済的にも負担で、苦しませること無く死に向かって静かに軟着陸させることだと高樹は言う。だが田所は江藤に、諦めずに色々治療を試すことを命令する。
吾郎は言う。「俺、もう駄目かな・・・」親父も肝硬変で死んでいるので何となく死期が分かると言う吾郎。元気になったら花見をしようとみんなで話し合う。
田所の方針に従う江藤。小峰はそれはお香典治療だと言って批判する。あおいも田所にただの金儲け医療ではないかと言うが、田所はこの治療のデータが他の患者を救うと言って正当化しようとする。
高樹は、自分達医者はえてして自分達の都合のいいように誘導してしまうと言い、不破が何を望んでいるか、近くにいるお前だから分かることがあるのではないかと言う。あおいは、中学卒業と同時に大工になった不破は、年に一度の花見が何より楽しみだったと言うのを聞く。「桜の下で笑いながら死にたい。」という不破の願いを聞いて欲しいとあおいは江藤に頼む。しかし田所はそれを許さず、どうしてもというのなら病院を辞める覚悟をしろと暗示する。
悩んでいるあおいに、小峰が言う。「誰に何を言われようが突っ走るのがあんただろう。」小峰は高樹を引き込み一緒に行こうと言い、北沢もそれについて行くと言う。そして日曜日、ついに江藤も田所に内緒で外出許可証を出し、みんなで花見に行くことになる。公園の桜はまだ咲いていない。だが、北沢が一箇所だけ花が咲いている枝を見つける。「有難うな・・」不破は涙を流し、そして数日後、安らかに永眠する。
あおいが泣いているところに泉田が通りかかり、あおいは泉田に不破や母のことなどを話す。それを聞いていた泉田は、今度の看護研修会はあおいに行かせるので準備をしておくように言う。
看護研修会の日、あおいは栃木まで泉田に同行し、研修を手伝う。泉田は講演で、「私たちの使命は人の命を救うことだが大切なのは人の心、終末期の患者にとって、自分達の小さな手のひらに託されているのは患者の魂だ。」と言う。病気を診るのではなく人を看る、その時患者は病気という肩の荷を下ろし、安らかな最後を迎えることができると演説した泉田に、あおいは感動する。
帰る前に泉田は付き合って欲しい所があると言い、あおいを墓地に連れて行く。そこにはあおいの母の墓があった。実はあおいの母の最後を看取ったのは泉田だったのだ。あおいにお守りを渡したいというあおいの母の望みをかなえてやれなかったことを悔やんでいると泉田は言う。あおいは、あの時母の手はまだ暖かかった、私はぬくもりを感じることができたと言い、泉田に礼を言う。泉田は、桜川病院に新病棟を作りたいという自分の夢を話す。そして桜川病院、自分自身、そして患者たちの為にも、これからは一人で突っ走ったりルール違反をしない事を約束して欲しいと言う。
帰りの車中で、泉田は急にめまいを起こして倒れる。左手も左足の感覚もなく、脳出血らしい。車はタイヤが脱輪してしまい立ち往生に。嘔吐物が気道を邪魔して泉田は呼吸ができなくなってしまい、命の危機が迫る。あの雪の日のように、違法とされている挿管しか方法はない。

レビューは後程・・
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by mitachan2006jan | 2006-03-14 23:31 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第九回 2006年3月7日放送 あらすじ&レビュー

あおいは無意識の白井に毎日声をかけているが、あおいは最近白井の妻の様子が変だということが気になっており高樹に相談してみる。
患者の胃洗浄をする江藤を田所は見守り、この調子なら消化器は君に任せると言うが、整理すべきは無能なスタッフだとの発言は、ナースステーションの一大関心事となった。田所のはじめの一人はバイトの北沢だった。看護助手まで減らされては困ると婦長緑川は北沢を庇うが、田所は北沢を酷評する。夢を言い訳にして気楽に過ごし、何の努力もせず、見てくればかり着飾り将来もなく社会の役にも立たず、はやりの電化製品と一緒、いずれは廃棄物センターに捨てられるだけだと言う。
自分と仲がいいから田所の気に障ったのだと言うあおいだが、北沢は自惚れるなよと言う。こんな仕事バイト代がいいからやっただけ。吐いたものとか、膿の始末とか汚いし、白井さんだって話しかけても無駄だと言う。あおいは北沢を引っ叩き、「本気でそう思っているなら、患者さんに触らないで。」と言う。
白井の妻は花屋を閉めることにしたという。「うちの人、本当に良くなるんでしょうか?」と聞かれた高樹は、わずかながら対向反射があると言い、これからも希望を失わず頑張りましょうと元気づける。
北沢は次の日病院を休む。自分のしていることはやはりままごとだと反省する北沢の目の前に倒れている中年の男性が。北沢はすぐに救急車を呼び、その男は事無きを得る。褒められる北沢を見ているあおいがいた。北沢は自分の医療への気持ちをあおいに打ち明けようとする。その時、どこからか音が聞こえてきた。白井の部屋からだ。白井の妻が呼吸器を外したのだ。「これ以上、この人を苦しませないで。この人もきっとそれを望んでいる。」という妻にあおいは懸命に緊急処置を施し、高樹も来て白井はなんとか持ち直す。「もう大丈夫です。」と言う高樹に白井の妻は泣きながら謝る。
田所は高樹に、「結局君のしていることは白井さんに重い荷物を背負わせることだけじゃないか。」と言う。高樹は、信号を発していた奥さんに薄っぺらいことしか言えなかった。助けたい一心だったあの時の選択が正しかったのか分からない。田所の言うとおり、奥さんを巻き込んでしまったのかもしれないと言う。
もうすぐ夜が明ける。花市場が開く時間だ。五年間一度も朝の競りを休んだことがなかったという白井の妻。夫の夢だった店を守ろうと、一生懸命だったと言う。「だったら、今から行きませんか?」あおいは白井の妻と市場に行く。本当にお店を辞めてしまうのかと尋ねるあおいに白井の妻は、亡くしてしまったのは希望、夫は死なせて欲しい、苦しみから解放して欲しいと思っているのではないかと言う。あおいは、「頑張らないで下さい。白井さんのお世話を頑張るのは私達看護士の仕事です。」「奥さんのいらっしゃった時は、白井さんの手はいつもより暖かいんです。だから、今日は嬉しいんだとか何となく感じるんです。」と言って励ます。「奥さんの笑い声が白井さんにとっての希望にもなるんじゃないでしょうか。」とあおい。
あおいは、白井の治療に看護の立場から五感刺激が有効なのではないのかと提案する。高樹も昏睡患者への五感刺激は有効だが今の看護体制では難しいと言う。それでも奇跡を信じたいというあおい。それを聞いていた総師長は、昔十七歳の少女を五人がかりで風呂に入れた時に動かなかった手で胸を隠したことを話し、「やってみなさい。」と言う。何よりも成功すれば看護学校でも話題になるし、病院の宣伝にもなると言ってあおいの意見を承認する。そして高樹には、「看護の力で生まれる奇跡もある。たまには看護の力を信じてみてはどうですか?」と言う。
高樹は総師長にもらった資料から、昏睡患者に人の声が聞こえていたという証言が多かったことから、白井に家族や仕事の話をしながらどんどん声をかけていこうと言う。
田所は医療と違って看護は保険の点数が低いとあおい達を叱責するが、北沢は、「患者の一番近くにいるのは俺達なんだよ。体裁や見てくればかり気にしているのはあんただろう?」と言って田所にたてつく。「君は今すぐクビだ。出て行きなさい。」と田所。
病院を去る北沢はあおいにCDを渡し、白井に聞かせて欲しいと言う。それは音楽の演奏でもなく、ただ花市場の競りの様子を録音したものだった。だが、それを聞いた白井の手がぴくりと動く。
「私にチューリップ競り落としてくれるんでしょう?」妻がそう叫ぶと白井の手は再び動き出し、高樹もあおいも感動の涙を流す。
それを聞いた北沢は、バンドを続ける一方で看護学校への入学を決めたとあおいに話す。もっとむきになって頑張るのも格好いいかもと思ったと北沢。
田所は五感刺激の治療を自分が提唱したと言い、雑誌などで注目される。ぶつぶつ文句を言う小峰達だが、北沢は総師長のはからいで現場に戻って来れることとなった。

レビュー
昏睡患者の白井が「開く」回。医師と看護の接点と立場の違いが描かれている。対価を度外視した看護はこのドラマの柱。希望にまどろむのではなく現実を解きほぐしていくあおい。可憐なお花といたいけな看護がオーバーラップし、力強く大胆な直感に筋を通させた回でもある。 
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by mitachan2006jan | 2006-03-08 13:18 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第八回 2006年2月28日放送 あらすじ&レビュー

桜川病院で、突然の人事異動が行われた。田所が副医院長に昇進したのだ。第一候補と目されていた浜松部長を飛ばしていることで、院内は大騒ぎだ。
田所は、今後の方針として病院の抱える不良債権の処理を挙げ、病状の好転が望めない患者、末期患者、ベッドの差額が払えない患者は転院させることを提案する。総師長も、田所の病院の運営方針に賛同し、赤字という大病すなわちガン細胞は完全に取り除かねばならない、大手術が必要だと言う。院長付き室長として副医院長を退いた大倉は、自分の方針を変えられたことに猛反発するが、田所は、「銀座の料亭やクラブに通う以外、あなたが何をしてきたと言うんですか?」と切り捨て、おまけに大倉には、栄転とは名ばかりの、とみだ島の院長を命じる。
美沙子と美保が北海道へ行くことを知った高樹は、美保も新しい父親に納得しているのか聞きたいと美沙子に頼むが、美沙子は、「娘の病気にも気付かなかった人に期待することもなければ、私たちがあなたに何かしてあげたいと思うことも何もない。」と言う。
高樹が家族を犠牲にしてまで救った意識不明の白井を世話をする妻はあおいに、スノードロップが高樹の好きな花だと教える。白井の妻は、一人では大変なので花屋をやめるという。
あおいは高樹から白井が転院の対象だと聞かされて抗議するが、高樹は「何かを得るためには何かを捨てなければならないこともあるんだ。」とあおいに厳しく言う。小峰はあおいに、一番辛いのは高樹だと、以前の高樹の話をする。高樹は医療に理想を抱いた「青臭い」熱血医師で、よく田所ともぶつかっていた。患者の為に昼夜を問わず必死に働いたが、家族を置き忘れていた。白井が病院に運ばれた日、美保は朝から咳をしていたが、高樹はドクターコールを受けて病院へ急行した。美保は救急車で運ばれて来たものの、高樹は自分では治療できないと言い、白井を優先した。美保の手術は田所が行い美保は危機を免れたが、あれ以来、高樹は田所に頭が上がらなり、病院の体制に口を出すことができなくなったという。
意識のない白井を診ながら高樹はあおいに言う。命はとりとめても意識は回復させることができなかった。それなのに白井の妻は、生きていてくれるだけでいいと言ってくれる。なんとしても白井を助けたいと。「スノードロップの花言葉、希望だそうだ。」と高樹。
あおいと北沢は、病院の外で高樹の娘の美保が立っているのを見かける。母から父に会うなと言われているらしい。美保は、父親に渡して欲しいとバイオリンの発表会のチケットをあおいに託す。父の好きなエルガーの曲を弾くと言う。高樹は当日当直だったが、あおいは自分と江藤と北沢に任せて欲しいと言い、高樹を休ませることに。「有難う。」と高樹は好意に甘えることに。夜高樹は、新しい父親と仲良くしている美保を思い出しながら、離婚届にサインをする。
日曜日、高樹が病院を出たあと、運悪く患者の五郎が腹膜炎で倒れてしまう。田所は医師会でゴルフに行っていた。江藤は病状は把握したが、腹に針を刺して腹水を取ることはできなかった。あおいは意を決して高樹の携帯を鳴らし、先生が必要なんですと言う。五郎は助かったが、発表会はすでに終わっていた。
あおいは、今から急げば飛行機に間に合うと、高樹を空港に行かせる。間一髪空港のゲートをくぐろうとした高樹は、娘の名を叫ぶ。美沙子は美保にバイオリンを渡し、美保は高樹の前で、弾くはずだった、「愛の挨拶」を演奏する。拍手をする高樹。「またね。お父さん。バイバイ。」娘は笑顔で高樹の前を去っていった。
居酒屋番町で高樹は一人酒を飲む。小峰が現れ、美沙子が高樹に渡すように頼んだという美保の昔書いた作文を出す。そこには、忙しくてかまってくれないが、病気を治す父が好きだ、医者の父が大好きだと書いてあった。それを読んで高樹は泣き崩れる。
翌日、高樹は田所に白井はこれからも自分が見ると言う。希望のない患者はいない、すべての患者に希望はあると言う高樹。「宣戦布告?」と田所は言う。「冗談だよ。」
白井の病室を訪れるあおい。白井の呼吸器が外され、スノードロップが枯れている。

レビュー
高樹の娘の真相が明らかになり、ひとつの別れと悲しき癒しをもたらす回。病院の経済事情のはざまで高樹も揺れ動き、白井を手放すことを余儀なくされる。娘を手放す変わりに救った患者への思い入れもかなわず、自分も大きな流れに飲み込まれてしまう高樹。だが、夕暮れの空港で高樹はひとつの幸福な終末に行き着く。そこでは親子の価値が静かに語られ、高樹は「永遠の思い出」を刻む。そしてこれまで娘がずっと自分を理解してくれていたことに気が付くのだ。滔々と流れるのは虚しい時間ばかりではない。安息を約束された信者のように、高樹は医療に一生を捧げてゆく。日本医師会のおのおのがた連中に見せたい内容となった。
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by mitachan2006jan | 2006-02-28 23:00 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第七回 2006年2月21日放送 あらすじ&レビュー

あおいの前で倒れた小峰は、何でもないと言って仕事に戻る。いつも通り口は悪いが、病棟の患者たちを細やかに気遣ったり、看護婦達を叱責したりしている。
「ネコミミ」こと佐伯は小峰の担当する病室の患者だが、見舞いに来る家族がいなかった。小峰は佐伯の誕生日を覚えており佐伯を喜ばせるが、「私だっていつまでもあんたの世話をしてあげられるわけじやないんだから。」と言う。
小峰は病院に辞表を提出していた。知り合いのつてで歯科医の受付になると言う。息子の拓が四月から小学生で、一緒にいる時間を増やしてやりたいと言うが、あおいのように家族を犠牲にして人の為にがんばるのはつかれてしまったと言う小峰。あおいは小峰が辞めることがショックで、北沢の誘ったライブにも行こうとしなかった。
佐伯は、大好物であるサクランボのマークが入っている腹巻を小峰に編んでもらう。小峰のことをお袋みたいだという佐伯。
ある日小峰は看護士の怠慢な仕事に文句をつけるが、看護婦の加納は、小峰は単に自分で責任を取りたくないからうるさいのではないかと反論する。十年前の事件で、小峰は部下に責任を押し付けて辞めさせたというのだ。小峰は言い返そうとするが、その瞬間腹を押さえて倒れてしまう。
小峰の病気の診断結果は、多発性子宮筋腫だった。現在婦人科は満床なので、内科で貧血の改善を図りながら様子を見ることになる。担当は田所、あおいになった。あおいは拓の面倒も見ると言う。
小峰の子宮は、通常鳥の卵の大きさのはずが、メロン大にまで膨らんでいた。婦人科の須藤は、全摘が最善だと言い、田所もそれを勧める。あおいは田所にそんな言い方はないというのだが、小峰はあおいを制止する。
小峰が全摘をしたくない訳は、拓の兄弟が欲しいと思っていたからだった。拓の父親は医者だったが、小峰の腹に子供がいると分かった途端姿をくらませたと言う。佐伯のように、私も家族に恵まれなかった。子供も好きだから、いい男を見つけて、サッカーチームが作れる位子供を作りたいと思っていたなどと泣きながら話す。
拓はあおいの部屋に母親とまだ見ぬ弟のぬいぐるみまで持ち込んで、そのぬいぐるみと一緒に寝る。あおいは小峰の為に何か出来ないものかと考えていた。
あおいは高樹に小峰の事を相談するのだが、高樹も小峰の体を考えれば全摘の方がいいのではと言う。あおいは、もし患者が家族だったら本人の希望をかなえてあげたいと思うのではないかと言う。
高樹の妻美沙子が病院にやって来る。友達の小峰の気持ちを察しながら、「あなたに女の気持ちは分からない。」と言う。美沙子には今付き合っている人間がおり、美保もなついているので離婚届にサインをして欲しいと頼む。
看護士達は小峰のナースコールが多いと愚痴をこぼすが、あおいは、小峰は人一倍責任感が強いから病院とみんなのことを思っているのだと弁護する。婦長の緑川も、十年前事故を起こした新人を最後までかばったのは小峰で、自分が本院へ移動するという話にもタンカを切ってここにいさせて欲しいと言っていたことなどを話す。
江藤はあおいに、婦人科の須藤はなんでも切ってしまう全摘屋という噂で、人一倍プライドも高いという話をする。ただ、近く田所には大出世の話があり、須藤も田所の言うことなら聞くのではないかということだった。
夜、小峰は佐伯の容態が気になって病室へ行く。すると佐伯が倒れていた。すぐに診察室に運ばれたが、小峰の話では急性腎不全かもしれないという。診察室から追い出されそうになる小峰は、自分がいかに佐伯のことをよく知っているか懇々と話し、病棟患者は看護士にとって家族だ、ずっと一緒に入退院を繰り返してきた佐伯は家族なのだと言う。しばらくして佐伯の病状は安定化する。
高樹は田所に頭を下げ、小峰の望みどおりに筋腫のみの摘出にするよう不動に進言してやって欲しいと頼む。田所は高樹に、「君が頭を下げるのは二度目だが、今度は返してくれるんだろうね。」と言う。
あおいではてこでも動かなかった須藤の意志は、田所の一声により変わり、小峰は全摘を免れ、難しい筋腫摘出の手術は成功する。
病院を辞めるつもりだった小峰だが、看護婦達が「小峰は内科病棟に必要な人で、まだ教わりたいことが沢山ある。」と言ったことで、小峰の覚悟は決まり職場復帰、辞表は撤回された。総師長室から出てくる小峰に、病棟中の人間が拍手を送る。
高樹の携帯に娘からメールが。「北海道に引っ越すことになった。」という。


レビュー
自らの体内にメロン大の筋腫を抱えて生きる小峰。体の不安や取り巻く世間の厳しさと、よりそう家族達が対比して描かれている。病に倒れなおも前線で働き、医療人としての条件を指し示す小峰の情緒溢れる確かな人間性が伺われる内容だ。嵐のようにタンカを切り、昔を思い返してはどこかで涙を流し、入院しながらも患者を静かに見守り続け、本心を見せたがらないならず者的人格を装う。いやはやなかなかできる技ではない。一連の流れも手伝って、内科病棟の結束は決定的に強くなった。この一体感のあたたかさ・正直な気持ちのすがすがしさが、やせ我慢の行動力を支えて行く。頼もしさが溢れる回であった。
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by mitachan2006jan | 2006-02-22 03:41 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第六回 2006年2月14日放送 あらすじ&レビュー

「ハリー先生ハリー先生。」院内にハリーコールが鳴った。駆けつけた江藤は患者の呼吸不全を過換気症候群だと診断できず、あおいの力を借りて事なきを得る。同僚からは辛辣な陰口を叩かれ、小峰からは「あおいママがいてくれてよかったね。」と皮肉を言われる。
田所は、江藤を代議士笠井の担当医にする。弁膜症からの心不全だという。賄賂の噂をたてられてワケあり入院というわけだ。だがあおいは笠井の過去五年の人間ドッグのデータを江藤に渡し、高樹も、「どんな大打者でもバッターボックスでは肩の力を抜くものだ。」と、江藤の初担当を応援する。
江藤の作った食事制限を笠井は守ろうとせず、ステーキを食べさせろと言う。本当はいたって健康なのだ。孫の守がやって来て病院を走り回り、患者たちは迷惑する。
笠井に何も言えない江藤を、小峰は病院の粗大ゴミと言う。それを後ろで聞いていた総師長は、「江藤には医者としての資質がある。それが見抜けないようじゃ、あなたもまだまだね。」と言う。小峰は何も言えない。が、控え室では、「江藤は使えない。」とぼやく。
高樹の妻が病院に来て手紙を置いていった。日曜日、離婚届にサインをして持ってきて欲しいということだった。高樹の妻を知らないスタッフ達は、合コンでお持ち帰りしたスイカップの女性ではないかと噂する。
笠井の為に色々考えるものの、田所に相手にされない江藤。高樹にはドッグのデータを見ることを褒められるが、つい弱音を吐く。昔から、お前はすごいから頑張れ頑張れと言われてきたが、本当は何も、誰も期待していない。でも父母を失望させたくない・・・。家族なんていない方が楽だと。
あおいは屋上で落ち込む江藤を見つける。先生ご自身はどうしたいのかと尋ねるあおいに、江藤は自分の祖父の話をする。江藤の祖父は、他の病院が見捨てた患者を全部治してしまう、ヒーローのような医者だった。あおいは祖父のことを語る江藤に言う。「先生は人間らしい。うろたえたり、興奮したり、悩んだり・・、優しすぎるが、私は好きだ。私は担当医の江藤先生の決めたことに従う。」しかし江藤は、自分は担当医でも代打でもない、ただのボールボーイだと呟くのだった。
あおいは病院のロビーで総師長を見つけ、江藤のことをなぜ資質があると言ったのかを聞く。総師長は、江藤の祖父から、江藤が子供の頃の話を聞いたと言う。ある日鳥を連れて帰ってきた江藤が、最後まであきらめずに手当てして、ヒナを助けたというのだ。だがその後で、権威ある人間の孫を大事にしたほうが病院の為になる。とも言い、どちらを信じるかは、「あおいの自由」だと言う。
日曜日、清天グループの全体会議で医者が少ない時間、ハリーコールが。笠井がアルコールを飲んで倒れたのだ。妻に会いに山下公園まで来ていた高樹は病院へ急ぐ。だが、患者の容態は急変する。吐瀉物が器官に入り、呼吸不全を起こしたのだ。医師は江藤しかおらず一刻も早い挿管が必要だった。だが、江藤は何もできずに呼吸の止まった笠井の前で泣き崩れる。あおいは、昔鳥を救った時のことを思い出させ、江藤は代打でもボールボーイでもない。必ず助けられると言う。
あおいの励ましに奮起した江藤は、挿管に成功し、笠井は命を取り留める。
あおいによって医者としての 自信を取り戻した江藤。守にヒーローのお面を渡され、田所の強権に屈せず、笠井に食事制限を命令する。守の為にも、元気で尊敬できる政治家でいて下さいと言う江藤に、笠井も心を改める。
その夜のことだ。残業をしている最中、あおいの前で突然小峰が倒れる。


レビュー
黒の瞳、情深い唇、雰囲気はパンダ君。石原ちゃんの力演、他の俳優に助けてもらわなくても十分個性を発揮できているのではないだろうか。サスペンスの女王片平さんも、おかあさん顔で見守っていた。今回のドラマで大きな成果を残したみたいである。ストーリーには今までのものとそうそう違いがあるわけではないが、印象深い空気がドラマに流れており、レビューする方もなんでだか若返っているといった感じではないか。高樹役の柳葉さんも、役に何らかの仮想的空間を作るよう心がけているようであり、それが大きな人間肯定にも繋がっている・・と思う。(別にごり押しで言っている訳ではないが。)
物語は、ヒーローである祖父の亡霊にたいする江藤のまごころが中心になっており、院内スタッフ達のコテコテな後押しもキラリと光りを保たせた。倫理に抵触するものに没交渉をつきつけ、医療人として達観の域に到達している姿に対しては、ロマンティズムさえ感じられる。そうだった。ひとつひとつの積み重ねが明日を作るのだ。というわけで、ついついどうして力が入ってしまう・・・。


テレビドラマの時間 三田ちゃんのそら見たことか
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by mitachan2006jan | 2006-02-14 23:28 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第五回 2006年2月7日放送 あらすじ&レビュー

桜川病院には設備が不足していた。MRIは昨年設置したばかりで、高樹の望む機器どころか、電子カルテさえもまだだった。電子カルテの導入には6億もかかるという。各々の医者側が売り上げに貢献できなければ、満足な医療体制にならないという現況だ。
懐の寂しいあおいは、大貫さくらという患者に漬物をもらって仲良く話をする。が、帰ろうとしたさくらは急に倒れてしまう。原因は心臓の病気らしい。高樹によってすぐにペースメーカーを埋め込む手術が行われた。あおいの介護と献身も手伝い、元気になったさくらの退院日。あおいの為に糠漬けを作ると約束するさくら。
さくらの耳鼻科の担当医だった江藤は、福引で当てた時計をなんとなくあげたのだが、さくらはとても喜び、それを大事にはめて退院していった。
ある日さくらはひどい耳鳴りに悩まされ、桜川病院に来る。受付で、いつも何科に通院しているかと聞かれ、「耳鼻科です。」と答えるさくら。江藤の診察を受ける。耳鳴りは脳梗塞の危険もあるので、MRIで調べることに。ペースメーカーを埋め込んだ患者がMRI検査を受けたり携帯などの電磁波の近くにいれば、ペースメーカーが故障する可能性があるので、その確認が義務付けられている。しかしその時江藤は「ペースメーカー」という言葉を使わず、「脳クリップとか、体に金属とか入ってないか」と言い、確認もせずにカルテに「ペースメーカーの使用無」と印をつけてしまう。さくらがMRIを受けた後、待合室でぼうっとしているのをあおいは見つける。あおいは、話しかける言葉に対してさくらの意識が朦朧としているので、すぐにMRI室に駆け込み、事の成り行きを確認するが、その間にさくらはいなくなってしまう。
あおいはすぐに高樹に連絡を取り、病院のスタッフ達を動員してさくら探しが始まる。あおいも自転車で町に出る。師長達による緊急会議が開かれ、江藤の曖昧な表現に対して田所は江藤をかばい、江藤はちゃんと確認した。江藤の将来の為にもそこを曖昧にしてはならないと言う。
さくらは米屋の見える弥生町のバス停で降り、糠床をカートに詰め込み土手を歩いていたが、夜になりあおいがさくらを見つけた時には、すでに倒れていた。高樹によるペースメーカーの手術が再度行われ、さくらは命を取り留める。あおいは江藤に猛然と詰め寄るが、田所ら医師の力により、憶測でものを言っているのはあおいの方だと非難される。本当のことが知りたいと言ったあおいに江藤は、「ちゃんと確認した」と言う。病院の決定により、家族への説明にはペースメーカーの故障は原因不明だということに。医者と高齢の患者さん、どちらの言葉に信憑性があると思うかと総師長はあおいをたしなめる。「江藤先生はあきらかに嘘をついています。」と言うあおいだが、小峰以外に味方につく人間はいなかった。あおいはさくらに泣いて謝るが、さくらは、自分がフラフラしていたのが悪かったと言い、あおいの優しさを受け止める。
高樹に謝りに言った江藤に対し高樹は、さくらが自分のペースメ-カーよりも江藤にもらった時計の方を心配していたと告げる。一方あおいには、正しいことを主張するのがいつも正しいこととは限らないと言う。あおいは江藤に、「江藤先生は自分のミスを知っている。江藤先生もこの病院も変わっていけると信じていいんですね」と問いかけるのだが、江藤は黙って行ってしまう。


レビュー
進化からはみ出してしまったような婆さんのアプリオリな尊さを、凛としたあおいの思いで守ろうとする回。さくら婆さんのうまそうな糠床は、田所の心の水溜りを対置させたものか。いい加減な江藤の冷たさが一医師としてあるべからざる姿のままでいることで、日本の医療体系の欺瞞がいっそう浮き彫りになっている。だが江藤も、この世に「自分の在り処」は有らぬ位の疎外感の持ち主なので、さくらの気持ちを受け止めバランスを取っていくのだろう。
さあ、あおいは柔軟に、田所の「後ろ」を取っていけるだろうか?吹いた笛には「何か」が動くだろうか。
高樹の人生も物語に組み込まれてきた。意識障害五年の患者、別居中の妻、小峰との関係、来週はそれらがクローズアップされる。加えて、「負け医師」から出発した江藤の転回もあるみたいだ。



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by mitachan2006jan | 2006-02-07 23:04 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第四回 2006年1月30日放送 あらすじ&レビュー

病棟のスタッフ達に、あおいはあの雪の日のことを話す。アンビュランスサービスの車の中で緊張性気胸をおこした患者に、禁じられている医療行為をしたということである。総師長は、「それはいかなる状況でも許されない」と言い、あおいを総師長室に連れて行く。あおいに、看護士の仕事は医療ではない、看護だと懇々と言う総師長。
ナースステーションにおけるあおいの立場は微妙なものになった。小峰は点滴さえもあおいに任せず、「この病院を辞めて欲しい。あんたは怖い。」とまで言う。
河野という糖尿病の患者が倒れた。あおいに風呂に入れてもらうことを拒否した河野は、冷たいシャワーによって心臓のショックを起こしたのである。あおいは重ねてミスを咎められる。「ナース失格だね。」と言う担当医師浜松。総師長は医師達を呼び、あおいは謹慎ということで意見はまとまる。
落ち込むあおいだが、「番町」で、メロン大福をご馳走され慰められる。バイトの北沢からは、「頑張りすぎだ。」と言われ、少しナイーブに。
高樹は、オフの日に合わせ、本院の佐山医師にあおいの話を聞きに行く。佐山は、あれは唯一の選択だった、患者を家族だと思うあおいはいいナースだと言い、高樹にあおいの後見を頼む。
あおいを案じる小峰、そこにアンビュランスサービスの青年がやって来る。あの日あおいと同乗していた青年は、あおいの影響で今、救命士を目指していると言う。「彼女は本当のナースです。」と言う青年。
高樹はあおいに会いに行き、小峰の昔の話をする。目をかけていた新人の禁じられた医療行為によって、甲子園を目指す野球選手の右腕をマヒさせてしまったことが、小峰の今に影響しているというのだ。「二度とルールを破らないでくれ」と言う高樹にうなずくあおいだが、「でも、もし同じようなことがあったら私・・・」その言葉を高樹は遮り、「もうお前にそんなことはさせない。同じ状況を作らない。それが医者だ。」と言う。
総師長会議における高樹の発言によってあおいは謹慎を解かれる。何か納得のいかない様子の田所だが・・・。
あおいは病棟に復帰。小峰は河野のケアをまかせる。張り切るあおい。


レビュー
何度注意されても、私はあきらめない。そのあおいのニュアンスがどこまでドラマ視聴者の胸に届くか、そこらが見ものである。見方によっては、ただのマセた大胆な若者だが、本当は誰でもあおいのように素直でいたいのだ。そんな心の綾を1時間弱のストーリーの枠内で、かつ明るく表現せねばならない。扉の向こうに何があったか、あおいに目を見開いて叫んで欲しいものだ。縁の下の力持ちになってくれる仲間もできそうな予感だが、キツい規則に「反則」していくあおいには平穏というカセがある。予定調和的な物語ではあるが、大きなヤマも出てくるだろう。あおいに小さくまとめて欲しいのだが。



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by mitachan2006jan | 2006-01-31 22:26 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第三回 2006年1月23日放送 あらすじ&レビュー

「お受けできません。」高樹は田所の方針に口を出すつもりはないし医療に役立つならばいくらでも協力するがと言って丁寧に断る。「君にはまだ借りを返してもらっていない。」と、田所は笑いながら「お嬢さんは元気かね?教えてやるといい。理想ばかり描いていても人の命は救えない。」と意味ありげなことを言う。
高樹は何もなかったかのように、いつものスクーターで帰って行くが。
あおいはその頃、窓から雪を見ていた。

高樹はあおいの様子が心配で、ちょっとカマをかけてみる。あおいをじっと見つめ、「ちょっと小顔になったか?」などと言うが、あおいには田所の企みが通じていないようだと安心する。が、田所は今度は江藤を使い、あおいが本院で何をしたのか調べさせていた。

江藤は独り本院に赴くが、急患で忙しくしているためにとてもそれを聞ける状態ではなかった。とりあえず看護士に合コンを申し込み、探りをいれようとする。メンツを揃え、酒の席でいざ聞き出そうとしたのだが、寸前で高樹に制止される。 
帰り際に、高樹は江藤が田所の言いなりになっているのではないかと言い、「早く一人前になりたかったら腕を磨け。他の先生の処置をひとつでも覚えて現場に立ち会え。」と言う。
江藤は、はじめはもじもじしていたが、父親のことを言われると反抗的な態度に変わる。
「僕は高樹先生みたいにはなりたくないんです。アウトロー気取ってそれは格好いいけれども、思い通りの医療もできず結局病院のいいなりになるしかなくて、出世もできなくて、ドクターコールで昼も夜もない毎日・・・あの手紙だって離婚届か何かじゃないんですか?・・・僕は高樹先生とは違う。出世しなければいけないんです。」
辛辣なことを言い、逃げるように去って行く。

ある日あおいは、看護士達がまたあおいのうわさをしているのを聞く。
この日も雪が降っている。雪にすべって骨折したなどの患者が多く来るらしい。婦長は、この機会に「お得意さん」の患者を増やそうと張り切っている。あおいはヘルパーとして緊急外来に行かされる。任された患者は青木又蔵。ホームレスで腹の痛みを訴えている。看護士は、寒いからホテル代わりにするつもりではと、別の部屋に行ってしまう。
あおいは、患者の腹が動いていなく、吐物に便の匂いがするということで腸閉塞を疑う。処置にやって来た田所を見た又蔵は、田所を「タレ坊。うんこたれのタレ坊。」と呼ぶ。又蔵の言うには、田所とは同じ山形育ちで、子供の頃の田所は又蔵の子分、田所がよくいじめられていたのを又蔵が助けていたとかいうことらしい。お袋さんは元気か?お前の家は貧乏だったが、お袋さんのつくるお稲荷さんはうまかったなど、昔のことを苦しみながら語る又蔵。しかし冷たくあしらう田所。電話を取って、首都医大に転院の手続きを取り始める。あおいは血液検査の結果も見ずに転院するのは危険だと反対するが、又蔵は、「いいよ。タレ坊ごめんな。俺みたいなものが友達なんて知れたらお前の将来ねえもんなあ。おらあいいよ。野垂れ死にが似合ってる。」と言い、「お前は立派になった。もう十分だ。がんばれよ。お前は俺の希望だ。」と手を握る。田所はすかさず握り返したが、はっとして又蔵を救急車の場所まで運んでいった。

又蔵を運び終わると、あおいは田所に言う。「先生は、医師としての使命を忘れています。昔、又蔵さんやお母さんに恩返しをするをするって言ったのは、ブランド物の服を着て喜んでいるような医者になることではないんじゃないですか?人の役に立つ、立派な医者になること、それが恩返しじゃなかったんですか?」すると田所はこう言う。「知った風なことを言うな。看護士に何が分かる?」そしてすたすた行ってしまう。
あおいは小峰に田所のことを報告し、あんな先生ならいないほうがましだと言う。それを聞いていた高樹は、「お前は自分のことを医者より優秀だと思っているのか?田所先生の腕は確かだ。医者を信用しないナースこそ不要なんじゃないか?」と、やさしく言うのだった。
又蔵の血液検査結果が出た。尿中アミラーゼがずいぶん高い。そこに首都医大から電話が鳴る。腹部CTを撮った結果、田所の診断通り重症急性膵炎でICUに入れたと言う。腹部の色調変化を見逃さず、グレー・ターナー兆候と正確に診断しての素早い判断。さすがだということだった。桜川病院には、CHDF(持続血液濾過装置)がないので又蔵を救うことができない。
あおいは田所に謝る。
「先生、さきほどの暴言、失礼しました。お見事なご判断でした。・・・でも、もう少しだけ私たちの話に耳を傾けて頂けませんか?もっとベッドサイドに来て患者さんの訴えを聞いてはいただけませんか?私は、先生ともっと一緒に仕事がしたいんです。」
田所は、しばらく黙って聞いていたが、降ってくる雪を眺めながら、
「田舎でも、こんなに雪が降っていた。そういえば、しばらくお袋に電話もしていなかったなあ。君には、みっともない所を見られたな。」そう言って帰ろうとする。
あおいは田所の後ろ姿に向かって、
「お母様の稲荷ずしにはかなわないと思いますけど、裏の番町のお稲荷も懐かしい味がしますよ。」
と言う。田所は表情を変えずそのまま、去って行く。
「番町」に現れた田所。例の稲荷を注文し、うまそうに食べて、マスターに言う。
「君、このお稲荷、首都医科大に届けてくれないか?そうだな、今から十日後。その頃ならもう食えるだろう・・・」

次の日、ナースステーションの様子がおかしい。看護士達は異口同音にあおいと一緒に仕事がしたくないと言う。江藤が田所の指示であおいのことをバラしたらしい。
そこに田所がやって来る。
「君がやったことばれちゃったみたいだね。もうここにはいられないんじゃないかなあ。」
あおいはぼうっとして聞いていた。
「君が本院でしたことは一歩間違えば殺人だ。そんな人間と仕事をしたいと思う人間がここにいると思うかね?」
それを聞いた小峰は、「江藤が言ったことは本当なの?本当ならここ辞めてほしい。必要ないのはあんただってこと・・・」
「待ってください。」あおいは切り出し、本院であったことを話し始める。
あの雪の降る日、骨折の患者を私設救急車で運んだ日のことだ。
婦長は慌てて総師長室へ。
「崩壊するわね。」と、総師長。

レビュー
ああだこうだ、なんだかんだ言って頑張っている登場人物達。個々人の価値と連続した主体性ではなく、役割としての「主体」がクローズアップされており、建て前と本音が分裂してうまく機能しないもどかしさが描かれる。一言で「流される人々」だとか、その社会を一方向から斬ることは可能であるが、あおいのナイーブな心情の無垢さそのものに戻って、そこから人々の行動を見て行くことが一番の理解の近道だ。田所も直接あおいを傷つけることができるのではなく、一面の真理によってあおいを追い込もうとしている訳で、高樹とその他の看護士達も、あおいの無垢さには大きなおまけがついているのだ位の本音であおいとの距離をためている。総師長などにいたってはまったく反対の存在でありながら、あおいの透明性を最も分かっているはずで、その後の物語にバッチリ係わってくる期待が出来て来る。それはそうだ。ともかく三者三様の事情では渡れない橋にまで進んでしまったみたいである。主体性を消したメッセンジャーとしての患者と、あおいのエナジーの発露。だが、あおいは過去の哀しい染みを消さねばならない。消せるだろうか・・・。


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by mitachan2006jan | 2006-01-24 23:58 | ストーリー&レビュー

ドラマ Ns' あおい  第二回 2006年1月17日放送 あらすじ&レビュー

転勤から一週間だ。あおいの勤める病棟に研修医江藤がやって来る。田所に取り入って耳鼻科志望から内科志望に変えたらしい。
あおいは次第に桜川病院の実情を知ってゆく。この病院では一人につき十人の患者を担当していること、保険の点数稼ぎの為に病院の前からも救急車を呼ぶこと、総師長の決めた桜川病院のルールである。
「やっぱりこの病院おかしくないですか?」というあおいに
「おれになつくな、ひっつくな」と高木。
その時、加熱した売り込み合戦をするMR製薬会社の営業マンたちの間に、あおいは野呂を見つける。以前患者が緊急の時、田所と一緒にいた営業マンだ。
あおいはぷいと通り過ぎる。

小峰とあおいは、少しずつコンビらしくなってくる。ある夜あおいは偶然、小峰が保育園に息子を迎えに行く姿を目撃。小峰がシングルマザーだということを知る。「傷物は傷物同士、何も聞かないのが礼儀。」と言う小峰。
帰り道、あおいはある男女連れの女性の方が突然血を吐く姿を目撃する。あおいによる応急処置がなされ、女性は救急車で運ばれていったが、次の日あおいが緊急外来を訪ねると、一番近いはずの桜川病院に、どの患者も運ばれていないことがわかる。

一泊十万円の特別室が埋まった。会社の定期検診で便の潜血反応が陽性だった営業マン野呂が、田所に押し切られ、自腹で特別室に泊まることになったのだ。ベッド稼働率90パーセントを維持できたと、婦長はゴキゲンである。担当はあおい。
翌日、点滴の時間、あおいの目が届かない隙に野呂がいなくなる。野呂は屋上で子供達の為に風船を作っていたのだ。地方の薬屋回りをしていた頃に覚えた芸なのだが、名前の通りノロマなので今はリストラ候補、病院担当でいられるのは田所のおかげだというのだ。
その田所だが、腰ぎんちゃくの江藤を連れて気持ちが油断したか、麻酔を大量に使い、見つけたポリープを確かめもせずに即切除する。
その後、野呂の調子がおかしくなる。
野呂の様子から、あおいは、穿孔(せんこう)を疑い、一刻も早く検査が必要だと言うが、江藤からそれを聞いた田所は、様子を見るべきだと言う。部長の浜松も、医師と患者をつなぐのは看護士の仕事と、逃げてしまう。江藤もなにか力になるわけでもなくちょろちょろしているだけ。
あおいは高木を呼ぶが、高木は他の患者にかかりっきり。
野呂は田所を気遣い、我慢をすると言う。
来年度から病院の薬は本院で一括して仕入れるということを告げ、「野呂さんは、田所先生に利用されているんですよ。」というあおいに、
「知っています。知っていてもこうするしかないんです。」と野呂。

田所はミーティング後、食事に行ってしまう。一々気に障るらしい。
あおいはレントゲン技師の片桐を捕まえるが、医師の指示証がないレントゲンは法律違反。
片桐に、「私はナースです。医者と患者さんをつなぐ唯一の架け橋なんです。」と言うあおい。
後日合コンのセッティングを条件に、レントゲンを承諾する。
麻酔が切れた野呂は腹を押さえながらのたうちまわっている。携帯型レントゲンが患者室に運びこまれた。
結果はフリーエアー。穿孔によるガスである。
婦長の指導で野呂への手術の段取りが。しかしその時外科の医師は一人も手が空いておらず、内科の高木もお手上げ。その時、アルバイトの北沢が、副院長が車で帰ろうとしているのを発見、あおいは車の前に立ち塞がり、副院長にオペを懇願。返事をしぶる副院長。
「あんたのせいでとばっちりが・・・」とあおいに言う小峰。
だが結局オペは行われ一件落着、手術室から出てきた副院長の顔をはじめて見たあおいは、副院長が、先日救急車を呼んだ男女二人連れの男性だったと知る。あの女性は副院長の妻で、その夜は、他の救急病院に連れて行ったということだった。
手術が終わった副院長のもとに駆けつけ、言い訳をする田所だが
「きみ、だれ?」と言われ、点数をかせぐどころではない。

二週間後、野呂は退院する。田所の逆鱗に触れた野呂は病院担当から外れ、地方回りに逆戻りしたらしい。
「でも、自分にはそういう仕事の方があっているかもしれない、そういう意味でも、田所先生には感謝している。」と野呂は言う。
「あおいスペシャルです。」
野呂はあおいの為に風船に鈴の入った子犬を贈る。
看護士の笑顔や励ましの言葉に、患者がどれほど勇気づけられるか。薄れる意識の中で、がんばって!というあおいの声がずうっと聞こえていた。これからもそ患者の希望の鈴を鳴らし続けてほしい。そう野呂は言い、去っていった。

その後田所により、医師法違反の理由であおいの処分が求められたが、総師長は、患者放置、気が緩んでいると田所を責め、あおいは無罪放免、もう一度職場に復帰できることとなった。
この病院を変えてゆくあおいに、
「奇跡がおこるかもな。」という高木。
「絶対奇跡はおきない。」という小峰。

田所は、虫のいどころがおさまらない。高級料亭に高木を呼び出し、あおいがなぜ本院を辞めさせられたのか調べるよう命じる。


レビュー
院のエース田所が新人ちゃんに叩かれ、ついに埃が出てしまうという回。人に皆節度有りといった内容。
ただ田所は、医療ミスに対し責められるのではなく、与えられた猶予に心を改めることなく、自己弁護に終止してしまったことを咎められており、真に大切なものとは何か、総師長によるいっそう厳しい線が引かれた回である。それはきっと総師長個人としての判断であり、物語後半に連鎖していくと思われるが皆さんの意見は如何だろうか。笑劇めいた頼りない男をこの回に併置し、粘り気ある人生を醸し出しているのも味わい深く、ボタン一つでミサイルを発射する軍人のような田所があおいに糾弾される。第一話で確かめられた個々の意識が、どのような根をもって進歩していくのか、その多様性の織りなすダイナミズムが見所である。
慇懃無礼の輩達、人格的なポテンシャルは・・?


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by mitachan2006jan | 2006-01-18 02:35 | ストーリー&レビュー