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ドラマ Ns' あおい  第九回 2006年3月7日放送 あらすじ&レビュー

あおいは無意識の白井に毎日声をかけているが、あおいは最近白井の妻の様子が変だということが気になっており高樹に相談してみる。
患者の胃洗浄をする江藤を田所は見守り、この調子なら消化器は君に任せると言うが、整理すべきは無能なスタッフだとの発言は、ナースステーションの一大関心事となった。田所のはじめの一人はバイトの北沢だった。看護助手まで減らされては困ると婦長緑川は北沢を庇うが、田所は北沢を酷評する。夢を言い訳にして気楽に過ごし、何の努力もせず、見てくればかり着飾り将来もなく社会の役にも立たず、はやりの電化製品と一緒、いずれは廃棄物センターに捨てられるだけだと言う。
自分と仲がいいから田所の気に障ったのだと言うあおいだが、北沢は自惚れるなよと言う。こんな仕事バイト代がいいからやっただけ。吐いたものとか、膿の始末とか汚いし、白井さんだって話しかけても無駄だと言う。あおいは北沢を引っ叩き、「本気でそう思っているなら、患者さんに触らないで。」と言う。
白井の妻は花屋を閉めることにしたという。「うちの人、本当に良くなるんでしょうか?」と聞かれた高樹は、わずかながら対向反射があると言い、これからも希望を失わず頑張りましょうと元気づける。
北沢は次の日病院を休む。自分のしていることはやはりままごとだと反省する北沢の目の前に倒れている中年の男性が。北沢はすぐに救急車を呼び、その男は事無きを得る。褒められる北沢を見ているあおいがいた。北沢は自分の医療への気持ちをあおいに打ち明けようとする。その時、どこからか音が聞こえてきた。白井の部屋からだ。白井の妻が呼吸器を外したのだ。「これ以上、この人を苦しませないで。この人もきっとそれを望んでいる。」という妻にあおいは懸命に緊急処置を施し、高樹も来て白井はなんとか持ち直す。「もう大丈夫です。」と言う高樹に白井の妻は泣きながら謝る。
田所は高樹に、「結局君のしていることは白井さんに重い荷物を背負わせることだけじゃないか。」と言う。高樹は、信号を発していた奥さんに薄っぺらいことしか言えなかった。助けたい一心だったあの時の選択が正しかったのか分からない。田所の言うとおり、奥さんを巻き込んでしまったのかもしれないと言う。
もうすぐ夜が明ける。花市場が開く時間だ。五年間一度も朝の競りを休んだことがなかったという白井の妻。夫の夢だった店を守ろうと、一生懸命だったと言う。「だったら、今から行きませんか?」あおいは白井の妻と市場に行く。本当にお店を辞めてしまうのかと尋ねるあおいに白井の妻は、亡くしてしまったのは希望、夫は死なせて欲しい、苦しみから解放して欲しいと思っているのではないかと言う。あおいは、「頑張らないで下さい。白井さんのお世話を頑張るのは私達看護士の仕事です。」「奥さんのいらっしゃった時は、白井さんの手はいつもより暖かいんです。だから、今日は嬉しいんだとか何となく感じるんです。」と言って励ます。「奥さんの笑い声が白井さんにとっての希望にもなるんじゃないでしょうか。」とあおい。
あおいは、白井の治療に看護の立場から五感刺激が有効なのではないのかと提案する。高樹も昏睡患者への五感刺激は有効だが今の看護体制では難しいと言う。それでも奇跡を信じたいというあおい。それを聞いていた総師長は、昔十七歳の少女を五人がかりで風呂に入れた時に動かなかった手で胸を隠したことを話し、「やってみなさい。」と言う。何よりも成功すれば看護学校でも話題になるし、病院の宣伝にもなると言ってあおいの意見を承認する。そして高樹には、「看護の力で生まれる奇跡もある。たまには看護の力を信じてみてはどうですか?」と言う。
高樹は総師長にもらった資料から、昏睡患者に人の声が聞こえていたという証言が多かったことから、白井に家族や仕事の話をしながらどんどん声をかけていこうと言う。
田所は医療と違って看護は保険の点数が低いとあおい達を叱責するが、北沢は、「患者の一番近くにいるのは俺達なんだよ。体裁や見てくればかり気にしているのはあんただろう?」と言って田所にたてつく。「君は今すぐクビだ。出て行きなさい。」と田所。
病院を去る北沢はあおいにCDを渡し、白井に聞かせて欲しいと言う。それは音楽の演奏でもなく、ただ花市場の競りの様子を録音したものだった。だが、それを聞いた白井の手がぴくりと動く。
「私にチューリップ競り落としてくれるんでしょう?」妻がそう叫ぶと白井の手は再び動き出し、高樹もあおいも感動の涙を流す。
それを聞いた北沢は、バンドを続ける一方で看護学校への入学を決めたとあおいに話す。もっとむきになって頑張るのも格好いいかもと思ったと北沢。
田所は五感刺激の治療を自分が提唱したと言い、雑誌などで注目される。ぶつぶつ文句を言う小峰達だが、北沢は総師長のはからいで現場に戻って来れることとなった。

レビュー
昏睡患者の白井が「開く」回。医師と看護の接点と立場の違いが描かれている。対価を度外視した看護はこのドラマの柱。希望にまどろむのではなく現実を解きほぐしていくあおい。可憐なお花といたいけな看護がオーバーラップし、力強く大胆な直感に筋を通させた回でもある。 
by mitachan2006jan | 2006-03-08 13:18 | ストーリー&レビュー


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